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0103_book.jpg小川洋子の『博士の愛した数式』を読み終えてしまいました。

読み終えるのがもったいなくて、しばらく置いておいてしまったほどの小説です。



柔らかで静謐な文章と、ストーリーがとても良くあっていて。

最近読んだ本の中では、いっとうお気に入りです。

雰囲気的には、川上弘美の『センセイの鞄』に似ているかな。



主人公は、80分しか記憶がもたない数学者の世話をすることになった家政婦。

この主人公が博士から数式にまつわる話を聞く雰囲気が、とても微笑ましいのです。

主人公(名前もいいんだな。ふふふ)はもちろん数学なんて苦手なのだけれど、博士の愛したその数式にきちんと向かい合って吸収していくんですよ。

主人公とその息子のルート君にとっての博士は、記憶に障害をもつ頼りない老人ではなくて、計り知れない知識を秘めた文字通りの「博士」。



博士ほどの知識ではないにせよ、誰にでも、知性や思考というものがありますよね。

こうやって文字に残される感情というのはごく一部で、ほとんどはその人が消えるときに一緒になくなってしまうもの。

その人が生きていたって、日々消えて行くもの。

留めることのできない記憶や、他人からは決して伺い知ることのできない感情っていうものの切なさがきゅんと心にしみて、涙が止まらなかったです。



この小説はすでに映画化が決まっています。

主人公の深津絵里、博士の寺尾聰ともに、期待できそうなキャストです。

未亡人役の浅丘ルリ子なんて、ぴったりだと思うなぁ。



どうでもいいけど、家政婦というだけで、時折主人公が猫村さんにかぶって見えて困った・・・(笑)。
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